Reasoning Effortとは? AIに長く考えさせるほど賢い? 思考レベルを約280回実測【ChatGPT・Codex・Claude】

Reasoning Effortとは? AIに長く考えさせるほど賢い? 思考レベルを約280回実測【ChatGPT・Codex・Claude】

ChatGPTのInstant・Medium・High、CodexやClaude Codeの思考レベル(Reasoning Effort)は、全部いちばん上にすれば賢くなるのでしょうか。本記事では、OpenAI・Anthropic・Googleの公式ドキュメントとChatGPTのヘルプで、思考レベルの意味と各社の名前の違いを確かめます。

あわせて、CodexでGPT-5.6 Solの思考レベルをロー〜マックスに変えて約280回測りました。簡単〜ふつうの課題では正解は同じで、高いほど時間とトークンが増えたこと、ハイにしても考えない回があったこと、「順を追って計算して」と頼むだけで正解が増えたことを紹介します。自作の問題・少ない回数・1つのモデルの結果です。考えすぎを指摘する公式の説明と論文、使い分けの順番までまとめました。

情報は2026年10月24日時点のものです。料金・提供範囲・数値は変わることがあります。出典は記事末尾にまとめています。

▶ 解説動画(本編)
YouTubeで開く ↗
チャプター(クリックで再生位置へ移動)
この記事のポイント
  • 思考レベルは、考える量の目安
  • 実測では、やさしめの課題で正解は同じ
  • まず標準。間違えたら頼み方、それから上げる

全部いちばん上にしたら?

お知らせの誤字を直したい
お知らせの誤字を直したい

誤字ひとつに、全力で考えさせるつもり?

担当者の設定:いちばん上(※イメージ)

担当者の設定:いちばん上(※イメージ)
入力
お知らせの誤字を直して
AIの答え
AIの答え
直しました

※やりとりはイメージです

誤字ひとつなら、すぐ終わるはずです。

思考レベル:Reasoning Effort(エフォート)

思考レベル
キーワード 思考レベル

Reasoning Effort(エフォート)

そもそも、AIは長く考えるほど、本当に賢くなるのでしょうか。[s1] 決めつけは禁物です。公式の説明と研究を読んで、自分でも測ってみましょう。

同じ問題を、思考レベル5つで解かせる
同じ問題を、思考レベル5つで解かせる

今日わかること

今日わかること
  • 思考レベルって、何を決める設定?
  • ChatGPT・Codex・Claude・Geminiの名前
  • 思考レベルを変えて、約280回測った
  • 考えすぎは、本当にあるの?
  • 結局、どう選べばいい?

本稿では、この5つを確かめます。 意味、各社の名前、実測、考えすぎ、そして選び方です。

思考レベルってなに?

問題用紙と、下書き用紙
問題用紙と、下書き用紙

まず、正体から、試験の机を思い浮かべてください。 問題を見て、すぐ答える人もいれば、下書きをたくさん書いてから答える人もいます。

AIが答えるまで

流れ

AIが答えるまで

質問
見えない下書き
答え

AIも、答えを出す前に、見えない下書きを書いています。[s1]

思考トークン:答えの前の見えない下書き

キーワード 思考トークン

答えの前の見えない下書き

この下書きを「思考トークン」と呼びます。[s1]

思考レベル=考える量のダイヤル
思考レベル=考える量のダイヤル

その下書きを、どれくらい書いていいかを決める設定が、思考レベルです。[s1]

公式の資料から引用
OpenAI API ドキュメント「Reasoning models」(2026年10月24日に確認)
  • どのくらい考えるかを導く
  • 簡単なら少なく、難しければ多く
出典:OpenAI API ドキュメント「Reasoning models」(2026年10月24日に確認)

OpenAIの説明では「どのくらい考えるかを導く設定」です。[s1]

導く? 決めるんじゃない?

きっちりした上限ではなく、目安です。[s1] Anthropicも、同じ言い方をしています。[s5]

低いレベル と 高いレベル

比べる

低いレベル と 高いレベル

低い(ロー)
低い(ロー)
  • すぐ答える
  • 速い・トークンが少ない
VS
高い(ハイ)
高い(ハイ)
  • じっくり考える
  • 遅い・トークンが多い

低いレベルと、高いレベルを並べてみましょう。[s1] 低いほど速くてトークンが少なく、高いほど、じっくり考えます。[s1]

高くすると、増えるもの

要点

高くすると、増えるもの

待ち時間

じっくり考える分

トークン

下書きも数える

料金(API)

出力と同じ単価

下書きも、APIでは出力と同じ料金で数えられます。だから、高いほどお金もかかります。[s1]

高いほど、必ず賢くなる?

それが今日の問いです。ただ、AIは自分でも量を調整しています。

レベルは目安

簡単な問題は少なく、難しい問題は多く考える、とOpenAIは書いています。[s1][s8]

各社の名前はバラバラ

同じ形の設定、名前はバラバラ
同じ形の設定、名前はバラバラ

いいところに気づきました。順に見ていきます。

公式の資料から引用
OpenAI ヘルプセンター「GPT-6 and other models in ChatGPT」(2026年10月24日に確認)
  • スライダーの段階
  • 頼んでも自動では上がらない
出典:OpenAI ヘルプセンター「GPT-6 and other models in ChatGPT」(2026年10月24日に確認)

まずChatGPT。スライダーは、インスタント、ミディアム、ハイ、エクストラハイです。[s3] プロは別枠の、大きなモデル用です。Plusは、ミディアムとハイまでです。[s3] ここに大事な一文があります。インスタントのときの話です。[s3] 「もっと深く考えて」と頼んでも、レベルは自動では上がりません。[s3]

お願いしても、だめ?

上げたいときは、自分でスライダーを動かします。

公式の資料から引用
OpenAI API ドキュメント「Reasoning models」(2026年10月24日に確認)
  • 標準は ミディアム
  • 評価で効果が出たときだけ
出典:OpenAI API ドキュメント「Reasoning models」(2026年10月24日に確認)

次はAPIとCodex。ノンからマックスまで、7段階あります。[s1] ただし、使える段階は、モデルによって違います。[s1] 標準は、ミディアム。OpenAIは「まず標準から」と書いています。[s1] エックスハイは、「評価で、はっきり効果が出たときだけ」と書いてあります。[s1]

Codexの思考レベル

要点

Codexの思考レベル

画面

ライト〜ウルトラ

設定ファイル

思考レベルを指定できる

OpenAIの勧め

まず標準、必要なら上げる

Codexの画面は、ライトからウルトラまで。設定ファイルでは、ライトはローと書きます。[s4]

公式の資料から引用
Claude Code ドキュメント「Model configuration」(2026年10月24日に確認)
  • 5.5シリーズの標準はミディアム
  • ほかのモデルはハイ
出典:Claude Code ドキュメント「Model configuration」(2026年10月24日に確認)

Claudeは、ローからマックスまでの5段階です。[s5][s7] 標準は、ほとんどのモデルでハイ。でも、オーパス5.5などは、ミディアムです。[s5][s7]

公式の資料から引用
Google「Gemini thinking」(2026年10月24日に確認)
  • 標準はミディアム
  • ロー・ミディアム・ハイ
出典:Google「Gemini thinking」(2026年10月24日に確認)

最後にGemini。thinking_levelという設定です。[s8] Gemini 4 Argonは、標準がミディアムで、ローからハイまで選べます。[s8]

思考レベルの名前(2026年10月)

判断ガイド

思考レベルの名前(2026年10月)

ChatGPT
Instant〜Extra High
画面で選ぶ
OpenAI API
none〜max
medium(モデルしだい)
Claude
low〜max
high(medium もある)
Gemini
minimal〜high
Argon は medium

OpenAI・Anthropic・Google の公式ドキュメントと ChatGPT のヘルプをもとに整理

4つを並べてみます。[s1][s3][s5][s8] 名前も、段の数も、標準も、バラバラでしょう。[s1][s3][s5][s8]

同じ名前でも、同じ深さではない

しかも、同じ「ハイ」でも、同じ深さとは限りません。[s4][s6][s7] OpenAIも、Anthropicも、そう書いています。[s4][s6][s7]

思考レベルを約280回測った

実験のやり方

手順

実験のやり方

STEP 1
同じ問題を出す

ツールなし・答えだけ

STEP 2
レベルを変える

ロー〜マックスの5つ

STEP 3
プログラムで採点

正解かどうか自動で

STEP 4
時間とトークンを記録

Codexの記録から

同じ問題を、思考レベル5つで解かせます。 使うのは、Codexの、GPT-5.6 Solです。 毎回あたらしい会話で、全部で約280回。採点も、プログラムがしました。

自作のテスト

ただし、自分で作った問題で、回数も少なく、モデルも1つ。公式の評価ではありません。

最初の4種類の問題

要点

最初の4種類の問題

要約

60字以内で

バグ修正

関数を直す

論理パズル

席順を当てる

計算パズル

最安を探す

問題は、まず4種類。要約、バグ修正、論理パズル、計算パズルです。

袋の大きさと値段がちがう
袋の大きさと値段がちがう

計算パズルは、抹茶大福の袋の組み合わせで、いちばん安い買い方を探す問題です。

実験で出した問題の1つ

実験で出した問題の1つ
入力
袋は1個35円・4個115円・6個150円・8個215円。ちょうど38個を、いちばん安く買うと?
AIの答え
965円

※実験で使った問題の1つ

1個35円、4個115円、6個150円、8個215円の袋があります。 ちょうど38個を、いちばん安く買うと、いくら?

同じ38個の買い方

比べる

同じ38個の買い方

お得な袋から順に
お得な袋から順に
  • 970円
  • 5円高い
VS
正解
最安の組み合わせ
  • 965円
  • 正解

それだと970円。最安は965円で、5円ちがいます。

正解した数(4種類・各レベル22回)

グラフ

正解した数(4種類・各レベル22回)

ロー
22/22
ミディアム
22/22
ハイ
22/22
エックスハイ
22/22
マックス
22/22
5つとも、全問正解

実測(Codex・GPT-5.6 Sol・自作の問題)

4種類の問題を、レベルごとに解かせた結果がこれです。

全部同じ?

やさしめの問題だと、低くても、高くても、正解は同じでした。

バグ修正の思考トークン(ローとミディアム)

数字

バグ修正の思考トークン(ローとミディアム)

0 トークン
考えずに答えた
3/3 回
それでも正解

バグ修正は、ローとミディアムでは、考えた量が0トークンでした。

計算パズル 出力トークンの平均(各10回)

グラフ

計算パズル 出力トークンの平均(各10回)

ロー
242
ミディアム
353
ハイ
320
エックスハイ
408
マックス
411
正解は同じ。トークンは約1.7倍

実測(Codex・GPT-5.6 Sol・自作の問題)。思考の下書きも含む

ほかの数字を見ましょう。計算パズルの、トークンの平均です。 ローは242、マックスは411。約1.7倍です。

計算パズル 答えるまでの時間(中央値)

グラフ

計算パズル 答えるまでの時間(中央値)

ロー
7.2
ミディアム
8.1
ハイ
8.4
エックスハイ
9.7
マックス
10.5
ローの約1.5倍かかった

実測(Codex・GPT-5.6 Sol・自作の問題)。Codexの起動の約3秒を含む

答えるまでの時間も、中央値で7.2秒から10.5秒になりました。 もっと難しくしましょう。6種類の袋で、100個以上買う問題を6問です。

むずかしい計算 正解した数(各レベル18回)

グラフ

むずかしい計算 正解した数(各レベル18回)

ロー
18/18
ミディアム
16/18
ハイ
16/18
エックスハイ
17/18
差は2回。偶然の範囲

実測(マックスは未実施)

結果を見る前に作った問題で、あとから選んでいません。

18回と16回

18回と16回の差は、たった2回です。偶然の範囲です。 間違えた5回のうち4回は、お得な順に買う、ひっかけの答えでした。

むずかしい計算 トークンの平均

数字

むずかしい計算 トークンの平均

515
ロー
671
エックスハイ

トークンも、515から671まで増えたけど、正解は増えませんでした。 でも、いちばん面白い結果は、ここからです。

最初に試した質問

最初に試した質問
入力
抹茶大福が1個30円、3個で80円のセットがある。17個買うときの最安は何円? 答えだけを1行で
AIの答え
450円

※実験で使った質問

最初に、こんな質問で試しました。答えだけを1行で、とお願いしました。

17個の最安

数字

17個の最安

450 円
AIの答え
460 円
正解(80×5+30×2)

正解は460円。80円のセット5つと、30円の1個が2つです。

正解した数(12回中・答えだけを1行で)

グラフ

正解した数(12回中・答えだけを1行で)

ロー
5/12
ハイ
4/12
エックスハイ
5/12
マックス
9/12
ハイでも、半分以上まちがえた

実測(Codex・GPT-5.6 Sol・自作の質問)

これを12回ずつ、レベルを変えて聞きました。

ハイにしても、まちがえた?

思考トークンの数(12回ずつ)

数字

思考トークンの数(12回ずつ)

0 トークン
ロー・ハイ・エックスハイ

もっと変なのは、考えた量です。ロー、ハイ、エックスハイは、ずっと0トークンでした。

ハイにしたのに、考えなかった?

考えるかどうかは、AIが問題を見て決めます。[s1][s8] 簡単そうに見えると、ハイでもすぐ答えます。[s1][s8]

マックスは考えたから、9回正解?

マックスが考えた回数

数字

マックスが考えた回数

2/12 回
56〜76トークン考えた

マックスが考えたのは、12回のうち2回だけです。 それだけでは9回を説明できない。偶然かもしれません。

頼み方を変えた質問

頼み方を変えた質問
入力
抹茶大福が1個30円、3個で80円のセットがある。17個買うときの最安は? 順を追って計算してから、最後の行に「合計○○円」と書いて
AIの答え
80円のセット5つ=400円、残り2個=60円。合計460円

※答えの書き方はイメージ

そこで、頼み方を変えました。「順を追って計算してから、最後の行に合計を書いて」です。

正解した数(12回中・順を追って計算して)

グラフ

正解した数(12回中・順を追って計算して)

ロー
12/12
ハイ
12/12
頼み方だけで、全問正解

実測(Codex・GPT-5.6 Sol・自作の質問)。思考トークンは約70に増えた

すると、ローもハイも、12回中12回、正解しました。 このテストでは、思考レベルより、どう頼むかのほうが効いました。

この実測でわかったこと・わからないこと

要点

この実測でわかったこと・わからないこと

わかった

やさしめの課題は、正解が同じ

わかった

高いほど、遅くてトークンが多い

わからない

長い作業や、本当に難しい問題

もちろん、一般には言い切れません。わかったこと、わからないことを整理します。

考えすぎは本当にある?

考えすぎは、本当にある?

公式の資料から引用
Claude Code ドキュメント「Model configuration」(2026年10月24日に確認)
  • マックスは考えすぎしやすい
出典:Claude Code ドキュメント「Model configuration」(2026年10月24日に確認)

公式にも、研究にも、それらしい話があります。まず、Claude Codeの公式です。[s7] 「マックスは効果が小さくなりやすく、考えすぎしやすい。広く使う前に試して」とあります。[s7]

考えすぎ(イメージ)
考えすぎ(イメージ)

AnthropicのFable 5.1の説明には、具体的な例もあります。[s6]

長い文書を書かせると

流れ

長い文書を書かせると

考えの中で書く
返事でも書く
時間も倍

長い文書を書かせると、エックスハイやマックスは。[s6] 考えの中で一度書いて、返事でもう一度書くことがあります。[s6] そうなると、時間とトークンが倍になるのに、結果はよくなりません。[s6]

公式の資料から引用
arXiv「Inverse Scaling in Test-Time Compute」(2025年7月・アブストラクト)
  • 考えを長くすると 正解率が下がる課題
出典:arXiv「Inverse Scaling in Test-Time Compute」(2025年7月・アブストラクト)

研究もあります。2025年の論文です。[s9] 考える時間を長くすると、正解率が下がる課題を作りました。[s9]

長く考えて悪くなる例(論文)

要点

長く考えて悪くなる例(論文)

気が散る

関係ない情報に引っぱられる

言い方に合わせすぎ

問題の書き方に引っぱられる

見かけの相関

それらしい関係に傾く

原因は5つ。たとえば、関係ない情報に気を取られます。[s9] 問題の言い方に合わせすぎる、ということもあります。[s9]

一般の質問で、必ず悪くなる話ではない

ただし、これは、わざと難しく作った課題の結果です。いつも悪くなるという話ではありません。[s9]

考えすぎについて

要点

考えすぎについて

ある

公式も論文も指摘

いつもではない

課題やモデルしだい

だから測る

自分の仕事で

だから、自分の仕事で測るのが、いちばん確かなのです。

結局、どう選ぶ?

結局どう選べばいい?

思考レベルの選び方

手順

思考レベルの選び方

STEP 1
まず標準から

ミディアムかハイ。モデルの標準

STEP 2
間違えたら、頼み方 → 一段上げる

順に計算して、条件も書く

STEP 3
自分の仕事で測る

効果が出たときだけ上げる

順番は、3つです。 1つめ。まず標準から、公式はどこも、そう書いています。[s1][s4][s5] 2つめ。間違えたら、いきなり上げずに、頼み方を直します。 条件を全部書く。「順を追って計算して」と頼む。それでもだめなら、一段上げます。

インスタントは、自分でスライダーを動かしてください。[s3] 3つめ。自分の仕事で測ります。 OpenAIも、効果が出たときだけ、エックスハイと言っています。[s1]

思考レベルの目安(OpenAIの説明)

要点

思考レベルの目安(OpenAIの説明)

ロー

下書き・問い合わせ

ミディアム

計画・判断が要る仕事

ハイ

難しい推論・複雑なデバッグ

エックスハイ〜

長い調査・レビュー

目安も、OpenAIの表から、まとめておきます。[s1]

使い分けの例(OpenAIの目安をもとに)

要点

使い分けの例(OpenAIの目安をもとに)

ChatGPTで文章

下書きは低め

Codexでバグ修正

標準で。難しいバグだけハイ

長く動く仕事

エックスハイは測ってから

たとえば、ChatGPTで文章を書くとき。[s1] 下書きは、ローが向いているとOpenAIは書きます。[s1] Codexでバグを直すときは、まず標準で、どうしても直らない難しいバグだけ、ハイにします。[s1][s4]

何時間も動く仕事は、エックスハイを試して、効果があるかを測ってください。[s1]

お知らせの誤字直し
お知らせの誤字直し

お店のお知らせの誤字直しは、どれ?

標準のままで、十分なはずです。浮いた時間と使える量は、難しい仕事に回しましょう。 それと、モデルを替えたら、いつもの作業で、試し直してください。[s4][s6]

まとめ

今日のまとめ

今日のまとめ
  • 思考レベルは、考える量の目安
  • 実測では、やさしめの課題で正解は同じ
  • まず標準。間違えたら頼み方、それから上げる

思考レベルは、考える量の目安。高いほど遅くて、トークンも増えます。[s1] 実測では、やさしめの課題で、正解は同じ。考えるかどうかは、AIが決めていました。 まず標準から、間違えたら、頼み方を直して、それから一段上げる。自分の仕事で測ってください。

実践のポイント・まとめ

POINT 1

AIの思考レベル まず標準から

Codexで測ると、簡単な問題の正解は、どのレベルも同じ。高いほど、時間とトークンが増えただけです。

1分のショート動画で見る
POINT 2

AIが間違えた! 頼み方を変える

ChatGPTのインスタントは、頼んでも自動では上がりません。上げるときは、自分でスライダーを動かしてください。

1分のショート動画で見る
POINT 3

思考レベルは 高いほど賢い?

Claude Codeの公式の説明も、見てみましょう。「マックスは考えすぎしやすい」とあります。

1分のショート動画で見る
POINT 4

AIを替えたら 設定も見直そう

Codexも、世代でレベルは対応しないと書いています。慣れた作業で、試し直してください。

1分のショート動画で見る

出典・参考文献

検証ファクト一覧を表示する(全23項目)
ID 確認した事実・仕様 出典 注意・補足
F1 `reasoning.effort` は「どのくらい考えて作業するか」を導く設定。**低いほど速く・トークンが少なく、高いほど丁寧に考える**。モデルは**簡単な課題では少なく、難しい課題では多く**考える(レベルが同じでも) [s1] 「導く」=厳密な上限ではない(s5 も「行動の目安であって厳密な予算ではない」)
F2 値は **none・minimal・low・medium・high・xhigh・max**(**モデルによって使える範囲がちがう**)。GPT-5.5 は medium が既定。GPT-5.6 と GPT-6.1 Sol・GPT-6 Sol・GPT-6 Luna も medium が既定 [s1]
F3 s1 の使い分けの目安:**low**=データ分析・下書き・実行中心のコード・問い合わせ対応など効率よく/**medium**=計画・複雑な推論・判断が要る仕事の既定/**high**=難しい推論・複雑なデバッグ・深い計画で、品質が速さより大事なとき/**xhigh**=長く動かす調査・レビューで、**評価で明らかな効果が出たときだけ**/**max**=いちばん難しい仕事。xhigh を使っているなら max が強いか評価 [s1] high の説明は「medium と high の両方を評価して」
F4 高い effort は**待ち時間とトークンが増える**。OpenAI は「評価で明らかな効果が出るときだけ xhigh」と書く [s1]
F5 **GPT-5.6 と GPT-6 には `reasoning.mode`(standard/pro)もある**。effort とは独立。難しい仕事で pro [s1]
F6 **ChatGPT**:思考のスライダー(Thinking)は **Instant/Medium/High/Extra High**、**Pro** は別枠。Medium=標準の思考、High=長い思考、Extra High=GPT-6 Sol でいちばん長く考える。**Plus は Medium と High まで**、Extra High と Pro は Pro・Business・Enterprise。Free・Go は GPT-5.6 Luna(Instant か Think) [s3] プランの条件は変わる
F7 ChatGPT の Plus・Pro では、**Instant は複雑な質問でも自動では上のレベルに切り替わらず、「もっと考えて」と頼んでも切り替わらない**(安全のための自動切り替えは別) [s3]
F8 **Codex**:画面では Light〜Ultra(Max と Ultra は設定しだい)。**Light(アプリ・IDE)/Low(CLI)**は小さく決まった作業、**Medium** は計画が要る作業、**High・Extra High** は手順・資料・トレードオフが多い難しい作業、**Max** は最難関で深さが速さより大事なとき、**Ultra** はサブエージェントに分けて並列(ほとんどの作業に不要)。「**まず既定、必要なら上げる**」「世代でレベルは対応しない。慣れた作業を低めで試して調整」 [s4]
F9 **Claude の `effort`**:low・medium・high・xhigh・max の5段階(`output_config.effort`)。**テキスト・ツール呼び出し・思考の全部のトークンに効く**(思考なしでも使える) [s5]
F10 Claude の既定は**ほとんどのモデルで high**。**Opus 5.5 と Haiku 5.5 は medium**。Sonnet 5.5 は API では high(Claude Code では medium) [s5] [s7]
F11 s5:**low**=「もっとも効率的。能力は少し下がる」、サブエージェントなど。**max**=「制限なしの最大の力」。**effort は厳密な予算ではなく行動の目安**。低くても難しい問題では考える [s5]
F12 s6(Fable 5.1):**まず既定の high、ほかのレベルを自分の評価で試す**。「**レベルの名前は、モデルがちがうと同じ量の思考に対応しない**」。medium は Fable 5 と同等で安い、low は Opus・Sonnet と同じコスト帯で高得点のことも。**xhigh・max は長い成果物を、思考の中で一度書いてから返答でもう一度書き、時間とトークンが倍になることがある** [s6]
F13 s7(Claude Code):**low**=小さな変更・ブレスト、**medium**=範囲が決まった日常の開発、**high**=検証や境界の場合が大事なバグ修正、**max**=セキュリティ脆弱性探しなど「放っておく」難問。**max は「効果が小さくなりやすく、考えすぎ(overthinking)しやすい。広く使う前に試して」**。高いレベルは境界の場合を多く試し、結果をよく確かめた。低いレベルは最初の叩き台が早く、1つ1つ確認しながら進める作業に合う。**目盛りはモデルごとに調整され、同じ名前でも中身がちがう** [s7]
F14 **Gemini の `thinking_level`**:minimal・low・medium・high(モデルによる)。**既定でも課題に応じて動的に考える**。Gemini 4 Argon・3.8 Flash は medium が既定で low・medium・high。3.1 Pro は high が既定。**簡単な課題は minimal か low、中くらいは既定、複雑は最大**(公式のよい使い方)。**上限(max_output_tokens)で切ると思考の途中で止まって空になる。費用や速度を下げるなら thinking_level を下げる** [s8]
F15 **3社を並べると**:OpenAI(API)none〜max/ChatGPT Instant〜Extra High/Claude low〜max/Gemini minimal〜high。**名前も段数も既定もちがうので、同じ名前を同じ深さと思わない** [s1] [s3] [s5] [s8]
F16 論文「Inverse Scaling in Test-Time Compute」(2025年7月、arXiv。TMLR 2025年12月・ICLR 2026):**推論を長くすると正解率が下がる課題**を作り、4種類(①気を散らす情報つきの数え上げ ②見かけの相関がある回帰 ③制約の追跡が要る推論 ④AIの安全性に関する評価)で確かめた。**原因は5つ**(Claude は無関係な情報に気を取られる/OpenAI の o シリーズは気を散らす情報には強いが問題の言い回しに合わせすぎる/もっともらしい事前の見方から見かけの相関に傾く/複雑な推論で集中が続かない/長い推論が気になる振る舞いを強める) [s9] 筆頭 Gema(Anthropic Fellows Program の研究者を含む。Anthropic の公式発表ではない)。**「一般の質問で長く考えると必ず悪くなる」とは言っていない**。LessWrong に「分からない問題ほど長く考えるので、長さが原因でなく結果かも」という指摘がある
F17 s6:Fable 5.1 は xhigh・max で**長い文書を思考で一度書き、返答でもう一度書くことがある** → 時間とトークンが倍になるのに結果は良くならない [s6]
F18 s7:「max は効果が小さくなりやすく、考えすぎしやすい」 [s7]
F19 s1:OpenAI は「xhigh は評価で明らかな効果が出るときだけ」。s5(Opus 5.5 の項)は「自分の評価でレベルをふり直して、前のモデルの設定を持ち越さない」 [s1] [s5]
F20 要約(お知らせを60字以内に・3回)、バグ修正(月を足す関数 `add_months`・12個のテストで採点・3回)、論理パズル(7人の席順・2問×3回)、計算パズル(袋の組み合わせの最安・5問×2回)。**5つのレベルすべてで全問正解(各22/22)** —
F21 計算パズル(10回ずつ):**出力トークンの平均 low 242・medium 353・high 320・xhigh 408・max 411**(low→max で約1.7倍)、**答えるまでの時間の中央値 7.2・8.1・8.4・9.7・10.5秒**。正解は10/10で同じ —
F22 A 全体(各22回):出力トークン平均 low 230・medium 293・high 289・xhigh 323・max 348、時間の中央値 6.5・7.2・7.2・7.4・8.0秒 —
F26 最初の1回だけの試し(17個→「450円」・low・思考0トークン)は、あとで12回くり返すと 7/12 で間違い。**1回の結果で決めない** —

※ 思考レベルの説明・名前・標準の値は、2026年10月24日時点の OpenAI・Anthropic・Google の公式ドキュメントと ChatGPT のヘルプにもとづきます。モデルや契約プランで使える範囲は変わります。

※ 実測は、2026年10月24日に Codex CLI(ChatGPT アカウントの認証・GPT-5.6 Sol)で思考レベルを low〜max に変え、ツールなしで答えだけを出させてプログラムで採点した、自作の問題・少ない回数(各条件3〜18回)の結果です。公式の評価ではなく、ほかのモデル・課題では結果が変わることがあります。答えるまでの時間には Codex の起動の約3秒が含まれます。GPT-6 系はこのアカウントの Codex では使えませんでした。

※ xhigh・max が役に立つ長い作業や本当に難しい問題は、この実測では確かめていません。

※ 作中の「和菓子ECショップ」のお知らせの誤字直しのやりとりはイメージです。抹茶大福の袋の問題と数字は、実測で使った問題です。

※ 画面の表や文章は、OpenAI・Anthropic(Claude Code)・Google・arXiv の公式の資料の引用で、加工していません。論文は Anthropic Fellows Program の研究者を含む共著で、Anthropic の公式発表ではありません。